こんにちは、たそがれ整形外科医です。
運動の重要性に関して理解しなければ、運動を習慣化したり、継続したりすることは困難です。
今回は体にとっての運動の重要性に関してお話していきます。
・1・運動の種類あれこれ
運動と一言で言っても様々な種類があります。有酸素運動、無酸素運動が有名かもしれませんが、その他にも等尺性運動、等張性運動などがあります。また、ストレッチにも静的ストレッチ、動的ストレッチなど分けられるようになってきました。細かい説明はいろいろなホームページに記載されていますので当ブログでは割愛させていただきます。その中でも個人的に重要だと思っているのが、関節可動域訓練と動的ストレッチになります。
関節可動域訓練は体の様々な関節を曲げたり伸ばしたりする運動で自分の力で行う自動関節可動域訓練と他人に押してもらいながら行う他動関節可動域訓練があります。動的ストレッチは体を動かしながら関節の可動域を広げていくストレッチで、有名なものでいうと、ラジオ体操になります。動的ストレッチは最近ではウォーミングアップに非常に適した運動として注目されています。
・2・運動不足による体への影響
現代の文明が発達した世界では、仕事や生活での動作が減ってきています。例えば、IT産業の発達により、パソコンに向かって仕事をするようになり、じっど体を長い時間動かさないことも日常茶飯事です。人の体はじっと体を長い間動かさないでいると筋肉や関節が拘縮します。拘縮した体は滑らかさを失い、物理的な衝撃が吸収されることなく体に伝わり、関節や骨などの消耗、摩耗がより加速的に進行していきます。
私が実際に診察させていただいた患者さんの中には若くしながら実年齢より数十歳も年老いた摩耗した体になってしまっている患者がおられました。世間では私がいう摩耗は変形性関節症といったりしますが、長年の蓄積による体の傷みなので、私は摩耗というようにしています。
要するに、運動不足により体が硬くなり、摩耗した体となり、体年齢が老いてしまいます。
・3・特に重要な関節可動域運動と動的ストレッチ
そんな硬くなった体を改善させる方法として、関節可動域訓練と動的ストレッチが非常に有効です。硬くなった筋肉、関節を効果的に軟らかくしてくれます。散歩やランニングに代表される有酸素運動を習慣としている方が非常に多いのですが、歩き方、走り方で体の硬さを無意識にカバーしてしまっており、硬い筋肉、関節がほとんど動いていないように感じます。実臨床の経験を元に感じるのは、意識しないと人は無意識に自分が得意な動きしかしていないということです。硬くなった筋肉、関節を意識して運動していかないと硬くなってしまった部分は半永久的に硬いままであるということです。
そうした中で効果を発揮するのが関節可動域訓練と動的ストレッチです。硬くなった部分を意識して関節を大きく動かしながら運動することで少しずつではありますが、硬くなった筋肉、関節が軟らかくなっていきます。しかしながら、改善することが少しずつであることがこのような関節可動域訓練と動的ストレッチといった運動を習慣化できない要因の一つであり、日々私が診察する患者様にどう伝えれば運動を習慣化してくれるか試行錯誤しています。
・4・運動習慣による健康寿命の延長
散歩やランニングなどの有酸素運動を習慣化している方は非常に多いにも関わらず、関節可動域訓練と動的ストレッチを習慣化している方が少ないのが現状です。散歩やランニングは知識がなくても簡単に行動でき、精神的にも体に良い影響を与えることが、習慣化に寄与しています。関節可動域訓練と動的ストレッチが日々の生活の一角に組み込まれ、軟らかいとは言わずとも硬くない体になることが、人生100年時代といわれる現代社会の中で、摩耗しにくい体となり健康寿命の延長にもつながります。
・5・まとめ
様々な運動がある中でその目的を明確にし、メリットを理解することが運動の習慣化につながります。私が強調する関節可動域訓練と動的ストレッチは体を軟らかくし、健康寿命を延長させることに寄与します。皆様もを今からでも遅くありませんので、運動を習慣化し、継続していきましょう。
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