こんにちはたそがれ整形外科医です。
健康意識の上昇に伴い、散歩やランニング、体操などの運動習慣をお持ちの方が増えています。
しかし、何かをきっかけに運動習慣がなくなったり、得意な動作の運動ばかりしていて、体の不調を訴える方が多いです。
今回は、自分に合った適切な運動習慣を意識して継続する方法や意識付けに関してお話します。
・1・運動習慣に対する意識
高齢者になればなるほど、健康を意識して何らかの運動習慣をお持ちの方が多い印象です。始めやすい『散歩』『ランニング』『体操』といったものが多いです。2020年の新型コロナの影響もあり、そういった運動習慣をやめてしまい、体に不調をきたし、腰や肩の痛みで整形外科を受診する高齢患者が増えました。そういった患者さんは体に不調をきたして初めて運動習慣が与える体への影響に気づき、運動習慣を再開し、痛みがとれていきます。『運動習慣があるから、自分は調子が良いんだ』とやめる前に気づけるとベターです。
忙しい日々の中で運動習慣の体への影響を意識することは難しいですが、『体の調子が良いのはこの運動をしているからだ』と意識すると運動習慣も途切れることなく継続できるようになります。
・2・運動習慣がある方の落とし穴
長年の運動習慣があるにも関わらず、体の不調をきたして整形外科を受診する患者さんがおられます。そういった患者さんに特徴的なのが、自分が得意な動作のある運動しかしていないということです。『散歩』を習慣にしている高齢な方が多いのですが、歩容をみると腰が曲がって、膝も完全の伸びず、片足立ちの時間が短い『よちよち歩き』をしています。この歩き方では、膝や股関節を大きく動かしておらず、筋肉の伸張や収縮があまり起きず、筋肉や関節が硬くなってしまいやすいです。これは一例ですが、この動きは得意だけど、この動きはできないといった動作の不得手が長年の運動習慣で出現し、その差が開いていきます。
このように運動習慣によって出現してしまっている動作の不得手に気づかず、体の不調や摩耗が出現し、健康寿命を短くしてしまいます。これが運動習慣のある方の落とし穴です。
・3・適切な運動習慣とは?
人それぞれ骨格も異なるので万人に共通する適切な運動習慣はありません。しかし、一人一人が自分の体の硬い部分や苦手な動き、それを改善させるのにどのような運動が適切なのかを理解することが重要です。といっても整形外科医をやって10年たって、私もこのことに気づきました。皆様にとって、自分の体の不得手を理解して自分にあった運動を行うことが適切な運動習慣だと思います。
・4・まとめ
健康寿命を延長させるのは、自分の体の不得手を理解し、自分に体にあった運動を目的や効果を理解して習慣化することです。これが適切な運動習慣であり、運動習慣の目的や効果を意識することが継続する近道ではないかと日々感じています。
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