体を硬くする習慣

こんにちは、たそがれ整形外科医です。

運動による体へのいい影響を話していますが、今回は体に不調をきたす、体を硬くする習慣についてお話していきます。

・1・体が硬くなる原因

 体が硬くなる原因は同じ姿勢でいる時間が長いことです。特に姿勢維持に筋肉に力をいれながらいるとさらに体が硬くなります。専門用語でいうと等尺性運動をしている時です。等尺性運動とは関節運動を伴わない筋の長さを一定に保ったまま行う運動のことです。例えば、直立不動で立っている作業は体を支える腹筋や背筋、下肢の筋力に力を入れながらじっとしているので全身の等尺性運動をしていることになります。このような時間が長いと等尺性運動している筋肉が硬くなっていきます。

・2・体が硬くなる具体例

 整形外科医としていろいろな人を診療してきましたが、硬くなる方には特徴があります。レストランの店員さんや農家の方、工場勤務の方は立ちながら何かをしていることが多く、下肢の筋肉、特に殿筋といわれるお尻の筋肉が硬くなってしまっています。パソコン業務が多い方も座りながら肩、首を動かさないでいる時間が長くなり、背筋や首から肩にかけての筋肉が硬くなっています。挙げるときりがありませんが、皆さんも、どこかしらの関節を動かさないで同じ姿勢でいる作業がないか振り返っていただくと、結構あることに気づくと思います。

・3・体を硬くならようにする方法

 同じ姿勢でいないことなど不可能なので、そうした中で体が硬くならないようにはどうしたらよいのでしょうか。同じ姿勢でいることを極力短くすることはもちろんですが、等尺性運動をしていた筋肉を意識して、その筋肉をダイナミックに動かしてもらうことです。例えば立ち仕事が多い方は作業中に殿筋が硬くならないようにするために股関節を深く曲げたり、あぐらの姿勢になって殿筋を伸ばしてあげると硬くなりにくくなります。ようは、硬くなった筋肉を無理にでも伸ばしてあげる機会を作ることです。この機会を作らない日々が続くと、段々と筋肉が硬くなっていきます。

・4・まとめ

 長時間、等尺性運動をしていると筋肉が硬くなります。そして、硬くなった筋肉をダイナミックに動かせていないと、その蓄積でさらに筋肉が硬くなり、硬い殻が出来上がってしまいます。その解決策は等尺性運動している筋肉を意識して(ここが難しいのですが(-_-;))、日々ダイナミックに筋肉を伸ばしてあげることになります。

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